いずぼぺ

キャプテン・フィリップスのいずぼぺのレビュー・感想・評価

キャプテン・フィリップス(2013年製作の映画)
3.8
トム・ハンクス、さすがです。

ソマリアの海賊については一時期ニュースでよく目にしたのをおぼえている。海上自衛隊も護衛で派遣されていたのではなかったかしら?

グリーングラス監督らしいヒリヒリした緊迫感と緩急のある展開だった。
当時53歳のフィリップス船長が船長としてベテランなのか中堅なのかわからないけれど、経験は勘を養うものでもあり惰性を産むものでもある。フィリップス船長は経験から勘を得たのだろう。船員へ避難指示はマニュアルにもあるのかもしれないけれど、指示を出すタイミングを間違えていたらもっと不幸な事件になっていたかもしれない。リスクを回避する視点と回避出来なかったとしても最小限に抑えるための視点が必要なのだなぁと、来週避難訓練を控えた私は独りごちた。
本作は単なるフィリップス船長の英雄譚ではなく、ソマリアで海賊行為が生きる術とならざるを得ない現実にも視点を向けている。
海賊たちの会話は言葉や状況の問題でフィクションではあろうけれど、計画性の無さや行動の端々から彼らの人生における選択肢の少さを感じる。
クライマックス後のフィリップス船長が号泣するシーンはトム・ハンクスの名演で複雑な感情を伝えてくれている。
海賊行為を正当化する気は毛頭ないが、彼らが海賊となり青年と言われる年齢で射殺されなければならなかった社会構造を考えると心が重たくなる。

SEALsなのにアクションシーンがないけどやたら強そうでカッコイイ、マックス・マーティーニが観れてお得感🥰


95-88