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キャプテン・フィリップスのsekaiseのネタバレレビュー・内容・結末

キャプテン・フィリップス(2013年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

2009年の実話。


海賊は貧困から脱するために命をかけて襲う。まるで「持たざる」者が「持つ」者から差分を当然のように奪おうとする。
少し調べてみるとソマリアでは海賊業が盛り上がり、海岸では船の整備会社、人質の食事や宿泊場所を提供する会社など1つの産業として成立しつつある。行政が存在しない国で自分の身は自分で守らなければならないという切羽詰まった心情が役者の演技から見事に伝わる。


海軍は人質を最優先として身代金を払う選択肢もあるが、払えば払うほど蛮行を加速させてしまう。襲撃を阻止するために民間の護送警備会社も生まれている。既に世界貿易コストは180億ドルも押し上げられている様。また2013年には多くの国が船舶警備のために海軍艦艇を派遣するようになり、海賊を武力鎮圧する事例が増えている。
日本からも1艦が派遣されているが武力行使が不可能なため、ロケットランチャーを打ち込まれたらどのように対応するのだろうか。


ギリギリの状況の中で海賊、海軍がそれぞれ最善を尽くす空気感に痺れた。
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