Angeprunelle

キャプテン・フィリップスのAngeprunelleのネタバレレビュー・内容・結末

キャプテン・フィリップス(2013年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

海賊ソマリア人と襲われるアメリカ人
それぞれの立場に想いを馳せる事が出来る
実話を基にした社会派サスペンスドラマ✧

現実にある悲劇や問題をシリアスに描きつつも
エンターテイメントとしての緊迫感や面白さも
しっかり持ち合わせている
バランスの良い重厚感ある作品でした。

俳優陣の迫真の演技に圧倒されました。

「アメリカならな・・・。」
この言葉が哀しく響く。

折れそうな程細い身体が
終盤はさらに小さく儚く見える。
そしてラストのムセの迷子の幼子のような瞳と
呟いた一言・・・

彼らにどうしろと言えるのだろう。
今の私達に言えることなんてない。

彼らは必死に嘆いて叫んで
血を流すように生きて
血を流して死んで言った。

とてつもない恐怖だった事を感じさせる
フィリップスの医務室での姿には
滝のように涙が溢れて止まらなかった。

“私の血じゃない"

先進国で物資的にも環境的にも
豊かな場所で育っている私達は
フィリップスのようにこの哀しき血を
一回自分の身に浴びてみないと
この問題について真剣に
考えようとしないのかもしれない。

私達の生活が豊かで贅沢になり
良質なものが安価に手に入る様になる中で
そのシワ寄せに合い苦しんでる人は
大勢いる事をまず知らなければならない。

知った上で私達が進んでいる道が
本当に正しい道か、平和への道か
いい加減本気で考えないといけない。
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