ずっと気になっていた作品。
認知症が進行しつつある母と息子の物語。
赤木春恵が演じる高齢の母親が可愛い。
認知症が進行し、人生が終盤を迎えようとしている時、過去の思い出が蘇ってくる。
若くして死んだ妹、つらい過去を背負って生きるしかなかった友達、酒乱だった夫。
ランタン祭りで、彼らの幻影と共に微笑むシーンでは、温かな涙が込み上げた。
戦争の時代を生きた1人の女性の人生。
今の時代を生きる私たちには想像もできないほどの、苦労や悲しみを背負った人生。
それでも懸命に前を向いて生きた1人の人間の人生。
それが、胸に迫ってくるようだった。
赤木春恵は撮影時88才。
その歳にして初めての映画主演作だったそうで「世界最高齢での映画初主演女優」としてギネス世界記録にも認定されたそうだ。
そして、これが彼女の映画としての遺作となった。
素晴らしい演技を、作品を、
ありがとうございました。