Panierz

不気味なものの肌に触れるのPanierzのレビュー・感想・評価

不気味なものの肌に触れる(2013年製作の映画)
4.5
濱口竜介やっぱり面白い。予告されたFLOODS=洪水が襲ってくるときには不可逆的な被害と、それに抵抗する身体の運動が必然的に現れる。何かによって動かされる身体、FLOODSという来るべき物語に至るまでの日常の中にも潜む些細な、しかし劇的な影響力を持つ何かを探求していくような実験で非常にシュールではあるけど面白い。染谷将太という存在が活かされてていい。

触れられるものと触れられないもの、その差異は対象の背後にある何かであり不可視な記憶の堆積でもある。自然と人間の奥底に宿る、目には見えない不気味な何かをシームレスに捉えるフレームはある意味ホラーだし、含みを持たせた湿り気のある空気感が画面を通して肌にまとわりついていくような禍々しさがある。
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