クリストフォルー

舞妓はレディのクリストフォルーのレビュー・感想・評価

舞妓はレディ(2014年製作の映画)
4.3
2007年公開の「舞妓Haaaan!!!」の監督・水田伸生によると、初期のコンセプトは女性が主人公の舞妓誕生物語だったが、クドカンの独自の発想でああいう映画になったらしい(柴咲コウの舞妓修行シーンに、その残滓が見られる)。そのおかげで、7年後に本作が無事日の目を見たわけだから、映画には運も必要なのだ。
もちろん、周防正行監督の発案はもっと以前からだったようだが、「マイ・フェア・レディ」の翻案に留まらない、シビアな現実認識も含まれたミュージカルエンタメに仕上がっている。
この映画の何よりの功績は、上白石萌音が稀有なミュージカルスターの原石だと世に知らしめたことだが、主だったキャスト陣がちゃんと歌うか踊るかしているという、ミュージカル映画の基本に忠実なところも嬉しい。
少女時代に海外生活を経験している萌音や生粋の祇園育ちの田畑智子らの役柄のリアルさも、今となるともっと評価されていい。
舞妓の存在は、今も世界的なアイコンだが、宝塚歌劇団同様、後ろ暗い歴史やブラックな実態を含めて、いまこそ日本による発信が大切だと思うよ。
クリストフォルー

クリストフォルー