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ブランカニエベスのodyssのレビュー・感想・評価

ブランカニエベス(2013年製作の映画)
3.5
【王子様の不在】

白雪姫のスペイン+闘牛士ヴァージョンです。それをモノクロ・サイレント(ただし音楽はあり)でやるっていうのが、アイデアですね。

各キャラクターもなかなかいい。特にこびと闘牛士の一団なんか。そもそも、こびとというとすごくちいさい人間を想像するかも知れないが、実際は今で言う発育不全の人間を意味していたらしい。だから身長で言うと1mくらいはあるわけ。それが分かるだけでも貴重な映画なのだよね。

以下、映画を見ていない人は読まないほうがいいかもしれないことを書く。

この映画、原作と決定的に違うところが一つある。王子様が出てこないところ。その代わり、こびと闘牛士の中に一人だけハンサムなのがいて、ちょっと白雪姫との関係が・・・・なんだけど、決定的なところには至らない、みたい。

みたい、というのは、結末がいささか曖昧だから。ああいう曖昧な結末になったのも、王子様が出てこないからだよね。女の子をお嫁さんにならないヒロインにすると、王子様の登場する余地がなくなってしまうわけだ。その代わり、ここではヒロインの父親の役が強調されているけどね。つまり、職業の継承、ってわけだ。でも、将来のこと(少子化を防ぐためにも・・・笑)を考えれば、どっかから王子様を持ってくるしかないんじゃないの。或いは、ハンサムなこびとがある日突然発育するとか・・・・でもいいけれど。

というわけで悪くない映画なんだけど、最後がやや難ありなので、この点数。
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