りょうすけ

ブランカニエベスのりょうすけのレビュー・感想・評価

ブランカニエベス(2013年製作の映画)
3.8
「ブランカニエベス」

グリム童話「白雪姫」を基盤に、数奇な運命を辿った闘牛士の娘の物語。2013年の映画ではあるが、全編モノクロ無声。

映像の美しさが魅力のアート作品と思いきや、どんどん次へ次へと展開が進んでいくので、普通にエンタメとして面白い。

誰もが知る「白雪姫」のような展開と登場人物はあるものの、舞台を近代のスペインにすることで全く新しい「Spanish Snow White」が誕生した。

闘牛のシーンは迫力があり、「黒い牡牛」のようなハートフルな展開もある。全体を通してコメディもあるので、モノクロサイレントのファンタジー映画のような雰囲気である。

しかし、悪趣味とも取れる要素もあり、とにかく継母の所業がエグい。継母はかなり同情の余地がない悪役として描かれていて、その表情からも明らかなるヴィランであることが初手でわかる。モノクロだからよりなのかもしれないけど、あの表情の恐ろしさはなかなか真似できないレベル。

その一方で、主人公が闘牛士の格好をしている時は、宝塚の男役のようなスタイルの良さがあり、かっこいい。彼女の立ち姿を見るだけで惚れ惚れする人は少なくないだろう。

非常に美しく、それでいて残酷な一面もある素晴らしい映画だった。久しぶりにディズニー版の「白雪姫」も観ようかな。
りょうすけ

りょうすけ