トニー

アナと雪の女王のトニーのレビュー・感想・評価

アナと雪の女王(2013年製作の映画)
3.6
んーーーー、微妙。高評価の嵐のなかでもうしわけないのですが。
まずエルザの抱える問題というものがそこまで深刻なものに感じられない。彼女の能力が外部に危害を加えてしまうというのならそこをもっとしっかりと描くべきでは?実際にアナを傷つけてしまう場面が冒頭で出てくるのですがあれじゃ弱い気がする。町が雪に覆われてしまったというのだけれど、その結果誰がどのように困ってしまい傷つくのかは描かれない。この時点でこの話に乗ることが僕はできませんでした
またこの物語は主人公が2人登場するのですが、このことで単純なカタルシスが削がれているような気がします。一応は真実の愛によってアナとエルザが一点に集約されるという形にはなってはいるのですが、エルザの着地というものがひどい。エルザの能力というのはいわばコンプレックスの象徴。そのコンプレックスを彼女はどう克服し力に変えていくのか。序盤の問題提起はそれなのでてっきりそこが語られるのかと思うと、実際はアナが復活するというのがカタルシスのピークに来ている。そしてエルザの能力は後付けのように"スキーができるようになるよ♩"なんて安易なところに落ち着く。これはちょっとお粗末なのではないかと思いました。これはエルザの話なんだという風に一本化するべきなのだと思います。冒頭でアナが1人で遊んでいて不憫だぁーっていうシーンがあるのですが、これは逆でしょ!エルザが自分の持つ能力のせいで1人で遊ぶことを余儀無くされ、アナは周りに愛されすくすく育つ。こういう風にアナとエルザに差をつけ、エルザの物語に一本化すればカタルシスが倍増したのかななんて思いました。
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