Jean

アナと雪の女王のJeanのネタバレレビュー・内容・結末

アナと雪の女王(2013年製作の映画)
3.4

このレビューはネタバレを含みます

2017.03.04 吹き替え視聴

2度目、ずいぶん前に見てて色々なシーンが
抜け落ちてることに気づきました。



今までのディズニープリンセスを否定する
言葉がちょいちょいあって、
時代とともにたくさんのことが変化するんだ
そう思った

それは2つのテーマに埋め込まれている

"真実の愛"と"自分らしさ"という
2つのテーマ



"真実の愛"

本作は新たな愛の在り方を表現していると思う

【運命の愛の否定】
アナとクリストフの会話がそれを物語ってる

クリストフ
その日に会ったばかりの奴といきなり
結婚を決めたっていうのか?本気で?



アナ
そんなの気にしない!運命の人だから!

クリストフ
そうは思えないね〜


それに加えて、
呪いを解くためのキスを
拒絶するハンスと拒絶されるアナ

運命の人とのキスで呪いは
解けないということが証明された場面

色々な場面で男と女の
"運命"による真実の愛を否定している


【新たな愛の提示】
オラフとアナとの会話では…

アナ
愛が何かも分からない

オラフ
大丈夫!僕わかる!
愛っていうのは自分より人のことを
大切に思うことだよ。クリストフがアナを
ハンスに任せて、離れていったみたいにね


アナ
オラフ溶け始めてる

オラフ
アナのためなら溶けてもいいよ

キスはしないけれど、愛はある
自分よりも大切に思える相手に対しての感情
それは愛


そして、完璧ではないもの同士の愛

完璧じゃない自分を愛してくれる人
完璧な人は誰1人いなくて…
その人の全てを愛するってそういうことでしょ

そう言われている気がする

今まで描かれてきた
完璧な王子(男)と完璧な王女(女)の愛とは
全く違った描かれ方で愛を描くことでより
現代の人にとって
身近なGirl meets boy/Boy meets girlを
描いた物語

完璧でないその人を気づくためには
それを知れるだけの月日が必要

お互いを認め、愛することで
"真実の愛"は生まれる

新たな愛の提示だった


【家族の愛】
クリストフとのキスで解けるかもしれない
自分の呪いよりも姉エルサの身を案じ、
身代わりになるアナからエルサへの愛

その逆に
凍ったアナを思い悲しみにくれるエルサ
幼き頃から思い続けるエルサからアナへの愛



物語の中で新たな真実の愛の形とその多様性を
アナとエルサ
アナとオラフ
アナとクリストフ で
体現しているのかよくわかると思う…

"真実の愛"はもっと色々なあり方で
存在するのだと改めて思う

でも、最後にはちゃんと
昔からのディズニーのもう1つの愛の形が
ちゃっかり描かれていて、
私はやっぱり王道も好きだなと…

クリストフの行動とか言動がたどたどしくて、
なんだかそういったところも私は好感が持てた

アナの肩に手をサッとおけないところとか笑

やっぱり、たった1日でできた
運命の愛っていうのは共感できないな
と改めて思ったんだけれども笑




"自分らしさ"というもう1つのテーマ

エルサは雪の城を作って、
自分のありのままでいようとするが、
それは彼女のありのままの姿のように見えて、
実は偽りの姿

完璧じゃない自分、でも愛があれば
というトロールたちの歌は
アナとのクリストフの話をしているようで、
実はエルサにも関連しているように思う

愛するアナを手放す代わりに、
自分の力を解放する

結局、それは彼女の本来の姿ではなくて…

ありのまま
自分らしさ っていったいなんなのか?

それはその時々の自分を認められること
それこそ、
自分らしくいるということなのかもしれない

1秒1秒変わる自分を見つめ、認めることで
ありのままに生きることができるのだろう




それに今までにあまりなかった
コメディー的な要素もいいなと思った

特にアナが白い髪の色、変?と聞かれ、
クリストフの間の空いた返事に
「ちょっと考えたでしょ?」とオラフ
「すぐに答えたよ」とクリストフ

そういうお茶目な部分もこの作品の
素敵な部分だなと思う

クスクスと笑えるようなところ

こんな素敵なところがたくさんあっても
なぜだか私は『プリンセスと魔法のキス』
の方が共感を持てたし、好きだなと思う

なんだろう…
あっさりと描かれた愛の在り方なのかな…
ちゃんとわからないけれど、多分そこだと思う

もっとゆっくり、じっくり
クリストフとアナの関係を描いて欲しかったし、
アナとエルサの愛による呪いの解け方を
丁寧におってほしかったな…

2時間の映画に収めるためには
これがベストなんだと思う反面、
贅沢な要望でもあると自覚しながら
楽しく映画を鑑賞させてもらいました
Jean

Jean