hikari

世界一美しい本を作る男 ―シュタイデルとの旅―のhikariのレビュー・感想・評価

3.9
「会社を大きくするより丁寧に本を作りたい。量より質なんだ。」
ドイツの小さな出版社シュタイデルの本作りのドキュメンタリー。世界中を飛び回り、企画から製本まで細部まで拘り抜いたプロフェッショナルな姿勢が素晴らしく、見ていてわくわくした。
デジタルな社会に生きていても、紙をめくった時の質感、厚み、香りの大切さを説くシュタイデル。感覚の問題なんだけど、これから先も忘れてはいけないことだと感じる。
シュタイデルの、お父さんとの本にまつわる思い出話や、写真家ロバートフランクの写真集の編集作業も贅沢だった。トイカメラ使っていたのも可愛かった。
ラストで、シュタイデルが「ご希望なら鼻を近づけてみてください。あの紙が一番いい香りですよ」とか笑いを取ってるシーン、変態ですが紙好きにはたまらんやつです。
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