七沖

マッキー/Makkhiの七沖のレビュー・感想・評価

マッキー/Makkhi(2012年製作の映画)
3.9
〝ハエになってもキミを守る!〟
『バーフバリ』の監督作品で、これも凄い作品だった。

明るい青年ジャニはビンドゥに片思い中。だがビンドゥに心を寄せているのは彼だけではなく、荒事も辞さないスディープもビンドゥのことを狙っていた。ジャニの努力の甲斐あって両想いになった二人に怒ったスディープは、ジャニを殺してしまう。ジャニはハエに生まれ変わってスディープへの復讐を始める…というストーリー。
インドらしい輪廻転生もの。ジャニが死ぬ前と後とで作品のテンションがガラッと変わる。ジャニが人間の時はダンスありのラブストーリーかな?と思えるのだが、ハエに転生してからは完全にアクション+コメディだ。
ハエに生まれ変わった瞬間の歌がやたらと勇壮で、「あぁ、ここからはコメディとして観ればいいんだ」とすぐに分かる作りになっていた。
だんだんとスディープの方が可哀想になってくるハエの復讐劇は思っていた以上にガチだ。ビンドゥが復讐にあっさり同意するのがちょっと引っかかったが、それ以外はハエのありえないアクションとスディープのリアクションを観ているだけであっと言う間の2時間だった。
「殺す 殺す 殺す お前を殺す」というデスメタチックな歌と、フロントガラスに書かれた「I WILL KILL YOU」に爆笑した。

ハエを見たスディープは、最初しばらくはハエをたたき潰そうとせず、何度も手を振って追い払おうとする。輪廻転生の考えがあるため、安易に殺生しないようにしているのかな、と思うと興味深かった。
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