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マッキー/Makkhiのvilljobbaのレビュー・感想・評価

マッキー/Makkhi(2012年製作の映画)
4.5
ハエに転生した男の一途な恋と宿敵への復讐劇を描く、変態な発想のインド映画。
テルグ語映画で原題はEegaだが、日本上映版はなぜかヒンディー語吹替版に統一されている。タイトルのマッキーもヒンディー語。
監督はバーフバリと同じラージャマウリさん。

ハエに転生というトンデモプロットだけど、やってることは王道の純愛。コメディだと思って観てたら急に感動してウルっとくる。変態設定で王道物語というのは名作の法則です。
そしてコミカルで爽快な復讐劇で笑いが絶えない。

主人公は超ピュアで優しいけど、ほぼほぼストーカーなやり過ぎ片想い野郎(幸い彼女に伝わってるが)。私にはできない。しかし、このストーカー設定がハエ転生後にすごく活きる。この設定のおかげで、ハエが喋らなくても彼のひたむきに彼女を守ろうとする気持ちが伝わる。
そしてアカデミー助演男優賞を貰うべき悪役のスディープさん。ハエをウザがる演技と爆笑必須の顔芸が天才。本業はコメディアンらしい(笑)。インド特有の過剰演出と顔芸のコンビネーションよ。
素直な彼女もかわいい。ちゃんと活きるマイクロアーティストの設定。復讐を決意した後のノリノリ感。

インド映画なので当然ミュージカルシーンが豊富だが、それらがとても気に入ったので興奮。
まず、復讐劇を背景に歌われるEega eega eega (Naam apun ka jani)は、ハエのコミカルで陰湿な復讐(誉め言葉)で笑いつつスカッとしながら歌われるメタルっぽい曲。普通にカッコいい。
上映されるのが原語版でないのは悲しいが、この曲に関してはヒンディー語版が好き(後でyoutubeで原語で観てみた)。
次に、主人公が段々認めてくれつつある彼女に愛を伝えるKonchem konchem (Thoda hans ke)。かわいい。ヒンディー語分かんないけど字幕と表情と演出で十分彼らの気持ちを心で感じ取れる。
Nene nani ne (Are are are) もメロディが耳に残るので名曲ということにしよう。
()内の曲名はヒンディー語版です。

観たのはコロナ明けの5月で、サーホーの直後に観た。いきなりインド映画の梯子という濃い週末。
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