最近できた彼氏とキャンピングカーでイギリスを巡る旅行に出かけるが、その彼氏は殺人鬼で...というお話
意外と面白くて笑った。描かれる出来事自体はよくあるカップルの旅行（愛を深め合ったり、考えの違いで対立して喧嘩したりなど）でしかないが、それに「殺人」が混ざることで見たこともないような不思議なテンションのラブストーリー映画になっていて面白い。
キャンプ地を転々としながら行く先々で出会ったムカつく人間を殺し回るだけだが、殺害場面の演出がどれも際立っていて痺れる。一番最初の殺害はコメディチックに描かれたことで油断してしまうが、そこから後の殺害はゴアも強めに痛々しく、しかも乾いた空気感で描かれるようになり、お気楽な殺人映画とは裏腹の現実的な空気感を見せつける。主人公カップルが場を去る途中に被害者の仲間が行方不明になった被害者を捜す動作が挟まる流れも、旅を続ける主人公カップルと対称的な立場に置かれた被害者の現実的な側面を映している。
カップルによくある思想の違いを「殺人のスタイル」に置き換えて描いているのが面白すぎて笑った。『異人たち』で流れたあの曲が本作でも印象的な場面で流され（しかも真逆のような状況で！）、ラストカットも本当に素晴らしい。
面白かった！
