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恋人たちは濡れたのbluetokyoのレビュー・感想・評価

恋人たちは濡れた(1973年製作の映画)
2.5
最後のオチというか結末が、あまりに鮮やかすぎて、絶句してしまうほどだ。ただ、ああいう風に簡単に解決を提示してしまっていいものなのか、とは、あとで思う。
冒頭、主人公の克が映画館のフィルムを自転車で運んでいるシーンから。不安げに神経質そうに後ろをちょくちょく見ながら自転車を漕いでいる。まあ、これが、最後のオチに繋がるわけだが。場所は千葉県大原町。克の故郷だ。帰ってきているわけだが、なぜか、幼馴染が声を掛けても、別人だと答える。これも、最後のオチに繋がる。ただ、直接、オチを思わせるのはこれぐらいである。とすると、最後のオチは、実はいらなかったのかもしれない。あったらあったで、なるほどとは思うものの、それだけである。
映画館の主人の奥さんとの浮気、草原でセックスをしていたカップルと知り合う、そのカップルに紹介された女を強姦する、この三つの話がある。これら三つは雑然と置かれていて意味を成しているとは思えない。関連があるとすれば、克のうまくいかないことである。そのうまくいかなさが、最後のオチになっているといえばそうである。
一週間で克は故郷を離れることになる。たぶん、勘付いたのであろう。カップルの女が付いて来る。ひょっとしたら、それが命取りだったのかな。行き止まり感を表現しているのだろう。三つの話がバラバラで連動していない。絞った方がよかったのかはわからない。
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