ペジオ

渇き。のペジオのレビュー・感想・評価

渇き。(2013年製作の映画)
4.1
「娘探し」という個人的な事情で動く主人公がアンダーグラウンドな世界のアレやコレやに巻き込まれていくのを観てると、宣伝から受けたイメージとはうって変わって真っ当にハードボイルドしてる印象を受けた
「劇薬」だなんて背伸びせずとも、苦味が残るでもなく普通に飲みやすかったです

物語の「マクガフィン」たる「加奈子」はその役割に違わぬ空っぽぶりで、だからこそ登場人物たちは「空っぽの方がゆめ(理想)詰め込める」とばかりに彼女にレッテルを貼っていく
(その典型的な例が3年前の彼ですか)
そんな彼らの物語のそれぞれの色が重なる一番濃い限りなく黒に近い部分をすくいとったのがこの映画なんですかね

感情移入を拒絶する様な狂ったキャラクターたちをわかった上でなのか、マンガみたいに芝居する役者陣の熱演もあって、存外ゲラゲラ笑いながら観られました
(いやー誰1人共感できねーわ良い意味で)

中島哲也監督のカット割りは快感を誘発する瞬間も有るのだが、ちょっと割り過ぎかな…
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