なまさかなクン

渇き。のなまさかなクンのレビュー・感想・評価

渇き。(2013年製作の映画)
4.4
わりかし入り組んだモチーフのわりに、テーマは至ってシンプル。ストーリーテリングはモチーフ同様、暴力的かつ乱雑な印象ながら、その実、神経質なまでに事細かく丁寧。

ここはあの作品へのオマージュか? ここはああいう感じにしたかったのかしら? と思わせる描写も、先達への心からの敬意があるからこそ、嫌味に感じず好感をもつ。

中島哲也は間違いなくハリウッドでも通用する感性を持つ、この国でも数少ないエンタテイナーの一人。それを証明するには充分すぎる一本。

最後に、今作の小松菜奈のトリックスターっぷりは圧巻。そして、役所広司の演じるキャラクターのファーストネームの読み方が、筆者の本名と同じで、まさに個人的に運命を感じ、ぐっと笑いをこらえるのに必死。
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