とても面白かった記憶がある

屋根裏部屋の扉をガッと持ち上げてPCを2階の窓から投げ捨てる重力を上に下に操るキレや、学生映画にもかかわらず登場するロケーションが質のあるクオリティを持っていて、その全ての場所でなかなか複雑で丁寧なお芝居と導線が組まれていて長編映画として凄いなと思ったけれど、人間と人間の多義的な距離感や人物造形はそこまで練られていないような気がする。主人公と未亡人が初めて出会ったときに初対面なのにもかかわらず未亡人が謎の告白をしてきてそれを主人公が普通に聞くところや、主人公が酔っ払って歩道橋で横になるのを未亡人が知っていたかのように近づくところが予定調和というか、まあそれが後に明かされる秘密として効いてくるんだろうけどその説明にしかなっていない。時間を置いて二度行われる夫婦が夜病院から抜け出し走り出す反復も結局はラストの夜に起こるブラックホールのような事件に、曖昧に回収されていて、タイトル通り虚しくなった。ということは成功なのか⁉︎
オフィスでの女部下とのジッポの灯りを伴ったやり取りや病院でのナースとの夜光シルエットでの官能さを魅力的に思ったからこそすこし消化不良。

唯一自分が出てる映画なので特別です！