みずけん

ラストエンペラーのみずけんのレビュー・感想・評価

ラストエンペラー(1987年製作の映画)
4.1
何故か見たこと無かったやつ。アカデミー賞9部門受賞、伊中英仏米合作の超大作。

3歳で清朝最後の皇帝となり、満州国の皇帝を経てソ連軍の捕虜となった愛新覚羅溥儀の生涯を描いた実話。こんなにも時代に翻弄された人物は歴史上なかなかいないのではないか。

題材が題材なので、ストーリーのパンチがえげつないのは勿論だが、衣装やセットの豪華絢爛さが素晴らしい。ここら辺はベルトリッチらしい。

坂本龍一らが担当した音楽も印象的。壮大でありながらも悲しげな作品の雰囲気と見事にマッチしている。

映画を見終わったあと、幼少期に紫禁城を駆け巡るシーンや、妻との出会いのシーンなどを思い出すと胸が痛くなる。

色々な感情が混ざったこの不思議な感覚は、映画を見ることでしか味わえないセンス・オブ・ワンダー。映画は芸術になりうるということを思い出させてくれる傑作。
こういうしっかりとした作品に金が注ぎ込まれることは、現代の映画界では不可能なんでしょうか。。。
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