熱湯

ラストエンペラーの熱湯のレビュー・感想・評価

ラストエンペラー(1987年製作の映画)
4.4
世界史において、長く続いた当たり前が変わる瞬間というのはやはり面白いし、ルイ17世や徳川慶喜など、時代に翻弄された人々の末路がついつい気になり調べてしまう。そして溥儀も例外ではなく。

舞台はほぼ紫禁城なのだけれども、要所要所で世界の動きが見えてよかった。そんなことお構いなしに宮中では煌びやかな生活が繰り広げられているのはとても滑稽。

彼は乳母をbutterflyと表現していた。生涯、心から愛せたのは彼女だけだったのか…ただならぬ関係になる前に引き離されてしまったのだろうな

溥儀が自転車(西洋の利器)乗って紫禁城から出ていこうとするところ、演出すごい。インクですら飲むのに、門を開けろという命令にだけは誰も従わないのも。
彼のトレードマークである眼鏡も効果的に使用されていた印象。お飾りにはならずに、自分の目で時代を見つめたかったのだろうと。辮髪をあれだけ嫌がっていたのに、紫禁城を後にする時には清の服装をしていたのが切なかった。

波瀾万丈な人生を、ツアーガイドのひとことで幕引きとするのもなんても粋だな〜と。生まれて死んで、側から見ればそれだけなんだけどさ!

個人的にはジョンストン好きだった。実際にも溥儀の受け入れに結構奔走したみたい。妻との関係についてはだいぶ脚色されているよう。

溥儀役顔綺麗。実物ちゃうやろ(^-^)雰囲気は似てる
エリザベス女王の映画もこんな感じで作られそうだし、出来たら絶対みる。
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