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ラストエンペラーのwtnbmghのレビュー・感想・評価

ラストエンペラー(1987年製作の映画)
4.8
昔観たけど戦メリの流れでこちらも再視聴。ながら見でいいやとおもってたけどつい引き込まれてガッツリ最後まで観てしまった。今だったら中国語話者の役者が演じるのかなと思うけど全編英語で撮られているからこそのシノワズリでオリエンタルな雰囲気。紫禁城にいる人間はみんな役者だ、みたいなセリフがあったと思うけど皇帝のいる世界は外の世界と無関係に甘美で豪華絢爛で虚構でもあるつまりとても映画的な世界に生きている、だから全員嘘っぱちに英語を喋っていてもいいんだと思った。ポリティカルじゃない映画的正しさ。
さらには作中で坂本龍一扮する甘粕正彦がキャメラを回し出すんだから史実をもとにしてはいるけれども映画のための映画でありベルトルッチは溥儀を最後まで虚構に生き虚構に犠牲になった人として撮ったのかなと思った。
悲しい生涯を象徴するような紫禁城と満洲国で二度繰り返される「扉を開けろ」という台詞。最初に与えられた自転車は彼に自由までは与えなかったのと、二度目に自転車に乗った時は自由の象徴としているのが彼に与えられた慈悲のようでベルトルッチ〜!!となったし、同じく二度繰り返された「皇帝だと証明してみせろ」という児戯の中で二度目は本当はこの人だって権力をかざさずとも自分の力でなんでもできたのに…という悲哀を感じてベルトルリッチ…となった。
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