Elly

ラストエンペラーのEllyのネタバレレビュー・内容・結末

ラストエンペラー(1987年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

「The Last Emperor」を初めてきちんと聴いた...素晴らしかった...

幼少期のシーンが一番心に残ったな。
小さな王様を戴く物語はいくつも見た気がするけど、王の無邪気さと周りの大人たちの希望と冷酷さの混じった眼差しのコントラストが異常で怖かった。

ベルナルド・ベルトルッチ監督の作品で以前見た「ドリーマーズ」でも、
最後主人公たちが家の外でデモが行われていることに気づいてそこに飛び込んでいくシーンで胸を打たれたんだけど、溥儀たちが紫禁城の外に出た瞬間に共和国軍が雄叫びをあげて城内に走っていくシーンで同じように悲しくなってしまった。
自分達の居場所に外の世界が容赦なく流れ込んできて、大切なものを引き裂く無情さと、そもそも大切なもの(「ドリーマーズ」の3人にとってはあの家での3人のモラトリアム的な時間、溥儀にとっては紫禁城の中での全て)は閉鎖的で限定的なものであることの虚しさ。やはりベルトルッチ監督は凄すぎる...。
しかも溥儀たちが乗っていたのが、ずっと欲しいと言っていた車だったのもね...望んでいたものや世界が自分の安心できる場所を壊すだろうということは、わかってはいるけど戸惑うよね。
Elly

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