好き勝手なてそ

武器人間の好き勝手なてそのレビュー・感想・評価

武器人間(2013年製作の映画)
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気になってた作品、初鑑賞!
■あらすじ
第二次世界大戦中のソ連兵たちは、ナチスドイツ軍と争う中、無線で他部隊からの応援要請を受け現地へ向かう。
行った先に仲間の姿はなく、無惨に捨て置かれた多量の死体が…。
怪しみながらも建物の奥へ進むと、突然武器を身に着けた人間が襲いかかってきてーーという話。

グロ(脳・腸)要素あり。POV系。
大真面目に歴史を意識しなくても良さそう(多分)。

■ざっくり感想

B級っぽいっちゃぽいけど、かなり独創的だし色んな武器人間が出てくるので面白い。

戦時中の軍隊なのにPOVにしようとするもんだから、最初6人?くらいの隊列なのにうち2人も偵察用の撮影係をやってる設定から面白かった。
ドイツ敗戦前で相当余裕の風向きだったのかな?

ユダヤ人としていたキャラクターが2人いて、それがどう意味するのかよくわからなかった…が、ドイツのみならずソ連もユダヤ人嫌いな人たちは時代的に少なくなかったはずなので、わざわざ設定に入れてるあたり意味ありそう。

とか思いながら、そんなこと関係ないかもって思うくらい後半に向けどんどんむちゃくちゃになってく感じ、私は好きだった。

武器人間、普通にかっこいい。
バイオハザード8がパクった説が出てて初めて見たけど、キャラデザパクりたくなるくらいの魅力的な感じはわかるw


ほか思ったことは下に書きます。


ーー以下ネタバレ含みますーー


■人を信じるな
スターリンの命を受け、博士に平和的な交渉を持ちかけるディマ。
「こいつ殺されちゃうんだろうな」と思いつつもどうなんだろう?と思いながらも見てると、やっぱりー!!
あんな、ナチスのいうことすら完璧には聞かないような狂った聞かん坊に、ふつうの交渉は通じませんよね!
なんなら見られちゃったし実験材料にしたほうが好都合そう。

ディマさん、自分の親にビデオメッセージ残しましたよね?「人を信じるな」って。
サシャが記録は持ち帰ったけど、親御さんには多分届かないかな…。

■共産主義の脳とナチスの脳を合わせると?
いまいち私の理解が追いつかなかったけど、対立するソ連とドイツの2つの国の脳みそを合体させたら、それすなわち手を繋いで平和みたいな理屈ですか?w
ってことは、それでソ連兵もドイツ人も殺してるよね?
ドイツが敗戦した原因の1つになってそう^^;

しかも、平和の象徴として作られた人間は結局人を殺しちゃうし。
本当の平和とは「人類の不在」みたいなメッセージだったりするかな?
結局2つの思想合わせたって、どっちも争おうとしてるんだからpHみたいに中和されたりしないよね。

どちらからも不遇な扱いをうけたユダヤ人の身体を使った場合はどうなるかは気になるところだったけど、ふつうにセルゲイもディマを襲ってたな。
まあ争いで起きた火はなかなか消えないもんだということかもだけど、
自分の脳みそ半分でもう半分ナチス軍人の脳みそなんだから、怒りの矛先は普通にディマに行っても不自然じゃなかったかもと思った。

ディマもユダヤ人なので、人種関係なく争いは起こりますよってメッセージでもあるのかな?

■ラストの写真にニヤリ
最後の最後に笑ってしまった。
スターリンそんなに聞き分け良いんだ!?
首持って帰ったら即、横に置いてくれるんだと思って笑ってしまった。
サシャは確かあまり機敏で賢いタイプじゃなかったはずだからな…。
でも、ひろゆき氏がよく言っているように、組織において「やる気のない無能」はむしろ考え方を叩き込みさえすれば可能性はあるという見方もあるので、
当初意味もわからず撮影して、嫌な奴らの雑用をしていたサシャにとって、考え方を引き出すようなきっかけになったと言えそう。
実際生き残って地上にも出られたわけだし、強運の持ち主でもありそう。

この映画では、映像さえあればフランケンシュタインの死亡は証明できるのに、わざわざ首を持ち帰ろうとするところもサシャの執着が見えて面白いですね。
別作品、北野武「首」とかももう一度見返したくなった。