HicK

her/世界でひとつの彼女のHicKのレビュー・感想・評価

her/世界でひとつの彼女(2013年製作の映画)
4.1
《変人かと思いきや良い話》

【ホアキン】
主人公セオドアを演じるホアキン・フェニックスの演技が素晴らしかった。ほぼ一人芝居だが、頭の中の"彼女"の存在をリアルに感じた。

【OSとおじさん】
人工知能OSに恋するおじさん。宣伝時はセオドアを「やばい人」としか思えなかったが、見てみると自分が彼の立場でもOSのサマンサを好きになる可能性はあったかも…と考えるまでに至ってしまった。

人間ではないからこそ素直になれるし、プライベートも隠せない存在だからこそ世界で一番理解してくれている存在。しかも、失意の中に現れいつもそばにいてくれる彼女。心の行き場になって当然。『肉体がない相手を好きになる=純粋に心を好きになる』っていう。そう考えると美しい関係。姿のない彼女と写真の代わりに曲を作るという所も素敵だった。

【ただ】
サマンサとのセックスシーンが少し長くて安いAVのように感じてしまった。暗転の中あの長さは少し苦笑い。でもこれがリアルってことか。

【総括】
結末は予想通り少し寂しいラストだったが、キャサリンに対してサマンサのように「僕の心の中にいる」と綴ったのが印象的だった。いつもどこか閉鎖的だったセオドアが心の声には素直になれる。それがサマンサと出会い変わった事だったのかなと思う。
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