miho

her/世界でひとつの彼女のmihoのレビュー・感想・評価

her/世界でひとつの彼女(2013年製作の映画)
-
ルーニーマーラがとても好きだ美しい。だから仲良しの頃の回想シーンたまらなく最高。あの雰囲気と2人だけの世界という空気感最高。ルビースパークスのデートシーンを思い出した。

不思議な映画だった。声だけで好きになって愛せるものなのかしら。でも中身だけに接して好きになるって本質を見抜けている感じがしてよい。だがしかしAI。自分と話せば話すほど学習するんだから完璧に近づいていって好きになるのは当たり前かもね。いつでもそばにいて自分が一番心地よい会話ができる。
友人の女性が語る、恋についての定義がとてもよかった。やっぱり恋ってそういうもんだよねって再確認。思い出した。

いつかこんな世の中が来るんだろうな。みんな1人でぶつぶつ言いながら話す世界、スマホよりもさらに深い個の世界にのめり込む人々。今でさえ怖いのにね、イヤホン電話の人。でもそれと状況はなんら変わらないのか。そういう人が増えるだけ。

追記
世界でひとつの彼女
っていう副題がonly oneという意味ですごく深いと思っていて(人の単位については無視する)。AIは自分との会話で学習してカスタマイズされていくから、サマンサは本当に自分にとって世界でonly oneの彼女。でも一度に何人とも会話をする点で言えば、なんだか異なってくる、1つだけど多面体。だから存在としてはonly oneではない。一方でルーニーマーラ演じる現実の彼女は、存在として世界にただ1人。そしてその唯一の存在の彼女を愛したという事実が、付き合っていた期間に限るけど、自分にとってもonly oneの彼女。両方の意味でonly oneの存在になりうる人同士の恋愛は、本当の意味でやはり特別なんじゃないかなあ。別の人間性を持った2人が、お互いを世界でただ1つの存在として愛し合うって、素晴らしいことだよね。
miho

miho