コータ

her/世界でひとつの彼女のコータのレビュー・感想・評価

her/世界でひとつの彼女(2013年製作の映画)
4.7
〈愛し、愛されること〉
愛する人の変化を認め、互いに成長し、相手を想い、尊重し。サマンサとの恋愛を経て成長してゆくセオドア。

ラストの展開は意外性あるものだったが、この映画の素晴らしさとは「その先」を描ききったことにあるはずだし、だからこその感動が確かにあった。
本作は、人を愛することとは何かを近未来の視点から描いてみせた新時代の恋愛映画の傑作。

こだわり抜かれた美術と衣装が本作の世界観を作り出している。暖色ベースのビジュアルはSF映画らしからぬ暖かな雰囲気がする。

愛にまつわる繊細な感情の機微。形なき物を見事に言語化、映像化してみせたスパイク・ジョーンズの具現化能力の素晴らしさ。
本作を観たあと、彼の瞳には世界はこんなにもロマンティックに映っているのかと、その肌に携わる感性が羨ましく思えた。

少々鼻につく台詞が見受けられるものの(主にエイミー・アダムス)、現代の傑作という評価に変わりはない。
コータ

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