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XXY〜性の意思〜のKUBOのレビュー・感想・評価

XXY〜性の意思〜(2007年製作の映画)
4.0
今日もセルバンテス文化センターで行なわれた「3×3 映画上映会」に参加してきました。

今日上映されたのは、2007年のアルゼンチン映画「XXY」。かなりの問題作でした。

ある整形外科医の家族が夏休みの休暇を過ごすために訪れた海辺の友人の家。そこで出会ったそれぞれの家族の息子と娘は関係を持つが、その「娘」は両性具有だった。

一見少女の両性具有の主人公は精神的には「女」なのか「男」なのか? 性的には「男」を求めるのか「女」を求めるのか? 両性具有の少女を愛するのは「男」なのか「女」なのか「ゲイ」なのか「レズ」なのか?

LGBTに関する映画は数あれど、ここまで複雑な作品は珍しい。「リリーのすべて」のように「どちらか」で済む問題ではないのだ。それだけに「どちらか」でなければ「異常」なのではなく、「そのまま」を「選ぶ」「愛する」ことができるのか?という本質的な問題を突きつけてくる。

両性具有の少女の初体験シーンには驚かされたが、過激なシーンや深い問題提起を含みながら、作品全体には淡い恋愛映画の空気が流れている。安易な希望を感じさせないラストもいい。今日この映画に巡り会えたのは大きな収穫だった。
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