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モスクワ・天使のいない夜のsonozyのレビュー・感想・評価

モスクワ・天使のいない夜(1992年製作の映画)
3.5
ロシアのセルゲイ・ボドロフ監督作。
レスリングチャンピオンだった20歳のボブは怪我で引退後、マンスールというヤクザな男のボディガードをしていた。
マンスールの部下でボブに仕事を紹介したワレラが金を奪いモスクワへ逃走。ボブはワレラから金を回収するか、殺すよう指示を受け、1961年式のヴィンテージのハーレーで、サラトフからモスクワへ向かう。

途中、ノーヘルで警察に止められ罰金を取られつつモスクワに着いたボブは、ワレラを見つけ痛めつけ、1日だけ支払いを待ってやることに。

街で不良の若者コジルと16歳のホームレスの少女ナットという二人の若者と知り合うボブ。
ボブは可愛いナットに惹かれ、流れで彼女が一人で住んでいる廃墟の奥の空間で一晩を明かすことになる。

翌日、ワレラから金を回収又は処分したら、ナットをサラトフに連れ帰り、一緒に暮らすことを妄想するボブだが。。。

雪積もる冬のモスクワ。
雪に足跡を残し歩くボブの姿を俯瞰で捉えたオープニング。
ほぼ全面、夜の暗い映像、挿入されるMongol Shuudanというロシアのロックバンドのサウンド(ライブシーンやヴォーカルのアップなども)、夜の道を走るハーレーの響き、未来の見えない3人の若者、そして、ボブのナットへの想いと見られる英題『I Wanted to See Angels(≒天使に会いたかった)』。

ナットの暮らす廃墟で一晩を明かすボブは、憧れの映画『イージーライダー』の話をし、ナットは大好きな歌手のマドンナに送ろうとした手紙を読み上げる。そして、二人は愛し合う。。本作で唯一の刹那の幸せの時間を思い起こす、悲しいラストシーンです。

字幕無しですがYouTubeにもありました。
https://youtu.be/r-tRZJSMM_Y
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