このレビューはネタバレを含みます
109シネマズプレミアム新宿の35mmフィルム特別上映にて鑑賞。
映画館で鑑賞しなかったことを、ずっと後悔していたので、ようやく念願成就。
映画史に残る傑作だと改めて感じさせられた。
中身に少し触れるならば、クーパーの父が、「エンジニアは必要ない、(中略)必要なのは食糧だ。(意訳)」と言うセリフは、AI技術の進展が現在進行形で目覚ましいがゆえに、よりリアリティを感じさせられるセリフとして印象に残った。
そして劇場での上映に関して。
(年季の入った?)フィルム上映のためか、フィルムのキズが目立つシーンがちらほら。これを味と捉えるかどうかは、完全な主観によるもので意見が分かれるところだと思うが、私はあまり好みではなかった。
過去に35mmフィルムの上映を2度鑑賞したことがある。(「HANA-BI」「もののけ姫」※どちらも国立映画アーカイブ)
どちらも、まだフィルム撮影が主流だったころの作品だからか、フィルムのノイズも味として感じられた。
音に関しては、とても良い体験ができたと思う。ハンスジマーの名盤を坂本龍一プロデュースの音響設備で聴くという贅沢を味わえた。
セリフと低音の環境音が被る際は、音が干渉しあってあまり綺麗に聴こえなかったが、高音域は一つ一つの楽器の音や残響が、繊細な音の輪郭を形成し観客席まで届いている印象だった。
本作は「広大な宇宙」と「時間」を、(フィクションとの融合含め)映画の装置として機能させた数少ない作品ではないかと思う。だからこそ倍速視聴も、一時停止も押せない映画館で鑑賞する意義が大いにある作品であることは間違いない。
次はIMAXで観る機会が再び訪れることを心待ちにしたい。