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インターステラーのharu3uのレビュー・感想・評価

インターステラー(2014年製作の映画)
4.5
砂嵐と作物の疫病で荒廃し、滅亡に瀕した地球。
新天地を求め宇宙へ旅立った男と残された娘との、時空を超えた絆を描く。

相対性理論、ウラシマ効果、5次元の世界etc. これらのワードに物語の中でしか触れたことがない人間ですが、SF知識に不安があっても問題なし。苛酷な環境で生き抜くため、科学だけでなく、愛や情ひいては倫理や哲学の視点も強調されていて。文系脳の私でも置いてきぼり感なく楽しめる、宇宙を舞台とした壮大なヒューマンドラマでした。
ノーラン監督自身が引き合いに出した『2001年宇宙の旅』と比べたら、良くも悪くも分かりやすい。右作品は恐ろしく抽象的かつ難解で、でもそこが詩的でロマンチックでしたよね。

最新の研究に基づいた光の輪を帯びるブラックホールの描写等、想像を凌駕する映像美に圧倒されました。
とはいえ考察を読むに、科学的な整合性に関して突っ込みどころも多々あるようですね。砂埃対策は流石にもうちょっと何かできそう。主人公が引退するきっかけとなった事故の重力干渉、突如開いたワームホールを考えれば未来の人類の存在は無視できない。そうなると次は、タイムパラドックスの問題が気になり始めます(卵が先か鶏が先か)。

169分となかなかの長尺ですが、ドラマの積み重ねがとても上手く一瞬たりとも退屈せず。ラストはご都合主義に感じる面もあるけれど、主人公のもう一つの再会を、心の底から祈りたい自分がいるのも確かです。
いろいろと脈絡なく書きましたが、語りたくなるのは良い映画!ですよね。
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