サタンタンゴを観ると、サタンタンゴを観た人生になります。
上映時間7時間以上というので有名な本作。過去にニーチェの馬を2度程挫折したのもあり、映画館には観に行けませんでしたがやっと観ることができました。
長時間の映画といえば、前に吉祥寺のバウスシアターで観た「カルロス」が326分。その時も見終わった後疲れましたが、今回は更に2時間近い更新です。
まずは圧倒される長い1カット。3,5分1カットなんて当たり前。手前から歩き始めて遠くにフレームアウトするまで映像は途切れることはありません。冗長でいて無駄ではないのですから不思議です。時間の感覚を失い、画面越しでなく、まるでその場から観ているような感覚になります。
そして、白黒の映像とは思えない表現の豊かさ。余りにも長く退屈とも思えるシーンでも画面から目が離せません。1秒1秒がとても贅沢な時間でした。
正直人に勧められる作品ではありませんが、貴重な体験でした。数年に1度サタンタンゴに費やす1日を作りたい。
