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子宮に沈めるのなんのネタバレレビュー・内容・結末

子宮に沈める(2013年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

『誰も知らない』に筋が似ている。
母親が離婚して、生活に困窮し、夜職をして男を作り、家を出ていく。残された子どもたちは姉弟二人で生き延びようとするものの……という感じ。
『誰も知らない』と違って子供たちが幼い。お姉ちゃんが3歳くらい?弟は乳児です。
母親によって廊下のドアを目張りされ、家から出られないようにされたため、外界に助けを求められません。

母親はおそらく冷静です。
子どもは邪魔だけれど殺す意志はなく、見えないところで死んでくれないかなと思っているのでしょう。男に捨てられたのか最後には戻ってきますが。

見ている側は、近所の人が不審に思わないか?今まで幼稚園に預けてなかったのか?殺すつもりなら電気と水道止めないか?子どもに情があるなら街中に連れ出して放置していったほうがどこかで生きてくれたかも?
などと考えてしまいます。

印象的だったのは、母親が追い詰められてもキレて子どもを殴ったり、「産まなきゃよかった」等言わないところです。その影響か、女の子も泣きわめく弟を前に叩いたり、「うるさい」と言ったりしません。このくらいの子どもって思い通りにいかないと癇癪を起こしたりキーキー騒いだりするもんですが。大人がいない状況だからか幼いながら弟を世話します。終始いい子で、静かに消耗していくのです。

私は子どもが好きじゃないし、一生産む気もないので、世間が言うほどの鬱を感じませんでした。そうじゃない方は見ていてとても辛くなる映画だと思います。
誰かに「ぜひ見て」と勧めることはないですが、「見なきゃよかった」とは思いません。かと言って、見てよかったとも思いませんが……
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