サルゲッチュ

子宮に沈めるのサルゲッチュのネタバレレビュー・内容・結末

子宮に沈める(2013年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

大阪2児餓死事件と苫小牧育児放棄死体遺棄事件を基にした育児放棄がテーマのノンフィクション映画。
理想的であろうとする母親が途中で育児を投げ出し、子ども2人がアパートに置き去りにされる姿が描かれるが、話が進むにつれて心が苦しくなった。
母親が帰ってくるまでサチちゃんが生きていたのも、インターホンに「ママ、ママ」と呼びかけるのも、母親に「ママ遅いよ」「ソラ動かないの」と言ったのも何もかもが事実に基づいているのが筆舌に尽くしがたい。
前半は育児って大変だな…、途中で投げ出したくならないのか…?とか、親(この映画だと母親)の偉大さを再認識したが、我が子をなぜ放置して殺すことができるのか?、なぜ死んだか確認するために戻って来れるのか?
ただ、実際の事件(大阪)では、母親も幼少期にネグレクトを受けていたらしく、育児も周りに頼る人はおらず孤独に子どもと向き合っていた真面目な人だったようだ。親として育児を全うする母性は持ちながらも、置かれた環境や過去が母親を歪ませたのかと思うと100%母親が悪いとも言い切れない。(子どもたちは純粋な被害者であるが)子どもの死を確認しに戻ったのも抑圧していた罪の意識に苛まれ、再度現実と向き合おうとしたからかもしれない。
ファーストラヴや母性にも通ずる映画。