腰

子宮に沈めるの腰のネタバレレビュー・内容・結末

子宮に沈める(2013年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

採点は遠慮
映画としては演出面を高評価。BGMを使わず、カメラを定点にして第三者の介入を感じさせないことでリアルさを演出。最初のシーンと最後のシーンの対比で母親の変貌を表現、などなど。

観終わった後、いろんな人の感想を読んだ。母親を責める意見、母親を擁護する意見、虐待の連鎖を指摘する意見、父親や行政を責める意見、子供たちを憐れむ意見。
どれもこの映画が見せたかったものとしてはどこか的外れな気がする。この映画では母親の幼少期の家庭環境に触れることもなければ、行政の介入や離婚した父親にフォーカスをあてることもない。母親と子供たちの暮らす家から出ることは一切ない。最初は悩みを抱えながらも1人で奮闘する、普通の立派な母親を描き、その後に限界が訪れる。責任感の強い彼女には、それを超えてしまった時に頼れる人もおらず、また頼り方もわからなかった。
忘れてしまいがちだが、人には限界がある。この場合は子供の命を預かっていたから最悪の形で露見したが、自分の命を殺めたり、また不登校だってその一部だろう。限界はいつ訪れるか分からない。そのことを覚えておくこと。また限界を迎えた時のために頼るすべを身につけておくこと。ふたりぼっちの子供たちの様子を通してこのメッセージがとてつもない説得力で迫ってくる。

(実際の事件をうけてではなく、あくまで映画を見ての感想です。加害者を擁護するつもりなどは毛頭ありません。)
腰