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ノスタルジアのwhitelilyのレビュー・感想・評価

ノスタルジア(1983年製作の映画)
3.1
〈映像の詩人〉と呼ばれるアンドレイ・タルコフスキー。
繰り返し映し出される水の映像、水の音。郷愁を誘う故郷の景色。響き渡る〈第九〉。終始宗教感溢れるストーリーは精神世界へ迷走し、ものすごく難解。台詞も非常に少なく長回しが多いうえにBGMがクラシックやヒーリング効果バッチリの音とくれば…睡眠作用抜群(^^;;(何度巻き戻して頑張ったか…)それでも一度は観ても損はない映像美!これに尽きると思う。
主人公ゴルチャコフの郷愁の想いや信じるもの、正義、生きること。言葉では言い表すことのできないものを全て映像にのせる。その映像表現を美しいと感じることができるだけでも観る価値がある映画だと思う。
故郷の景色と実在するイタリアの広場を合成させたモンタージュはまさに芸術、ノスタルジックでこの世のものとは思えない。
『芸術は何ものにもまして最優先される』という強い信念が支えたというタルコフスキーの生涯。芸術は心で感じるもの、を感じさせてくれる作品。
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