LINA

グランド・ブダペスト・ホテルのLINAのレビュー・感想・評価

5.0
この映画は、ある意味衝撃でした。
こんなにも強く鮮やかに自分自身の世界観を隅々まで表現出来るウェス・アンダーソンに感服。

彼の他作品も素晴らしいけれど、この8作目のグランドブダペストを機に彼自身の強力なアピールと他を追随させない独特の世界を完璧に築き上げた気がする映画です。

彼自身の言葉に『映画を作るというのは、混沌を整理しようとしながら、同時に混沌を生み出してしまうことなのです。』という言葉の通り、シンプルにまとめようとしながら混沌に突き進んでいくお話。

グランドブダペストホテルのコンシェルジュであるムッシュ・グスタブ・Hがコーヒーテーブルで思い出話の中の思い出という入れ子になった思い出話を語るとこから始まる。

名シーンがぎっしりと詰まり、独特の美的感覚と色使いに囲まれて物語は進行し、ある意味完璧な形で着地する。
名優ビルマレイに彼の作品であれば、たとえ台詞が無くドアを開けるだけの役であっても、喜んで必ず参加する。と言わしめた作品。
あまりに凝りすぎて1度では理解が難しいかも。
アンダーソンお馴染みの主管は難解であることが美しい。
LINA

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