LINA

哀れなるものたちのLINAのレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
4.5
最近観た中で断トツな映画。
世界観がとっても良い。

ストーリー的には、1992年に書かれたアラスター・グレイの原作に忠実なのかもだけれど、ちょっと.....と思うシーンも多い。
このストーリー部分で賛否が別れていそう。
ストーリー設定に実にディスカスティングな設定も多く、幼く若い主人公ベラの部屋に性的目的で忍び込もうとするおじさんや、あれこれ悪趣味の極み。
その悪趣味も吹き飛ぶ程の映像美とベラの演技には称賛しかない。

主人公ベラ(エマ・ストーン)が『Dr.パルナサスの鏡』のリリー・コールに通じるドール系女子好きにはたまらないキャラクター。
ベラと同じ姉妹の様な存在のフェリシティも好き。
アカデミー賞録りまくりなのが納得の衣装と映像美。

ほぼ全編なんとセットで撮影されている。
船の上もロンドン、アレクサンドリア、マルセイユ、パリもセット。
スタジオの中でこの美しい船上シーンと街並みが表現されている。

自分の頭の中の映像をリアルで表現するのって、思った以上に難しいのをドールを通じて感じているので、想像の世界をリアル展開出来る才能に感服。
映画を観た後、Youtubeに在るメイキングも観てほしい。
如何にこの映画が特異な才能に囲まれて育まれたかが解る。
悪い評価を気にせず、是非一度覗いて観てほしい作品。
LINA

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