最初はテンポの良さに置いてけぼりがちになるんだけど、最後には凄く惹き込まれる映画だった。何故かぼーっと見てしまうミュージックビデオのような感じ。
とにかくシーンやカットの一つ一つが芸術センスに溢れていて、パッと見た時の画面へのこだわりがひしひしと伝わってくる。それは絵画のようでもあるし、漫画のようでもある。
カメラの動きもカラフルな世界観もその中でくるくる動き回る人々も、精巧なオルゴールを見ているかのような可愛らしさとコミカルさがあって面白い。
話の内容自体は割とありきたりな感じがするけれども、あの映像美と構成があってこそ、一つの作品として成り立っている。
冒頭のシーンを見返して、やっとこの作品が何重にも重なったびっくり箱のような構造であることがわかったんだけども、きちんと見返せば小さなこだわりがもっと沢山見えてきそう。
若きゼロがめちゃくちゃいい味出しててよかったな〜
この前ミッドナイト・イン・パリ観て以降エイドリアン・ブロディのこと認識したんだけど、彼は一瞬しか出てなくても強烈な印象を与えるなと思った……