がちゃん

ザ・コール [緊急通報指令室]のがちゃんのレビュー・感想・評価

3.9
「911」、日本で言えば110番。
そこにはいろんな通報が入る。

でも、
ここはアメリカ。
銃で撃たれただの、麻薬でラリってしまいどうしようもなくなってしまっただの、刃物で襲われそうだの、挙句はコウモリが家の中に入ってきて怖いだの、いろんな通報がひっきりなしにかかってくる。
その職場を、職員たちはハチの巣と呼ぶ。

その911で、オペレーターを担当するベテラン女性職員のジョーダン。
いつも冷静沈着な彼女が、ある緊急通報で些細なミスを犯してしまい、
通報してきた若い女性を死なしてしまう。

その一件から、ジョーダンは第一線から身を引き、
新人研修の教官となった。

そんなジョーダンがたまたまとった一本の電話。
それは、車のトランクに監禁された少女からの必死の通報だった・・・

白いペンキ、シャベル、ライター、男の死体・・・
出だしはシチュエーションスリラーの趣で物語はスタートする。
主人公の恋愛場面もあることはあるが、
必要最小限なのが嬉しい。

テンポよく進んでいくうちに、
物語はサスペンススリラーに。
時折織り込まれるショック演出は本当に怖い。

そして後半になるに従い、
サイコ・ホラー・サスペンスになっていく。
この呼吸の切り替えが少し甘くなったのが惜しいが、
それでも近頃のスリラーが束になってかかってきても、
負けない面白さがある。

そして、ラスト20分。
本当の恐怖が始まる。
でも、ダラダラと勿体つけた演出方法を取らず、
スパッと残酷なラストの切り上げ方も見事。

主人公を演じた、ハル・ベリーは抑えた演技で見事。
畳み掛けてくる編集もお見事。
ヒッチコックやデ・パルマ作品気分を味あわせてくれた。

何の予備知識もなく、
フラッと劇場に入り、
サービスデイということで1000円で鑑賞でき、
めちゃくちゃ面白かった。
ものすごく得した気分になれました。
がちゃん

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