キミシマユウキ

イノセント・ボイス 12歳の戦場のキミシマユウキのレビュー・感想・評価

4.0
1980年のエルサルバドル、政府軍と反政府組織FMLNと内戦で最悪の治安であるこの町で11歳の少年チャバは何を見るか…

2004年製作のメキシコ映画。
俳優オスカーオーランドトレス氏の少年時代の体験を元にしているらしい。
今作は人気ユーザーchiyokokamakuraさんのオールタイムベストということで鑑賞。

胸が締め付けられる作品。

この町の子供たちは12歳である意味大人の階段を上らなくてならない。
政府軍が12歳を超えた子供を兵士として徴兵してしまうからだ。
そんな大人になりきれない子供の目から見えるメキシコの内戦。
夜に飛び交う銃撃戦。放送禁止されるラジオ。徴兵から逃れるために屋根に隠れる少年たち。
僕が12歳のころなんて遊戯王カードやったり初めてORANGE RANGEのアルバム「musiQ」を買って喜んでたりしてただけのガキなのに、少し海を渡るだけでこんな過酷な少年時代を送らなきゃいけないとは…

キャストはおそらくみんな無名のメキシコ人?
主人公チャバ役を演じる少年の演技が素晴らしい。
まさにイノセントな瞳が輝き続ける彼の無垢な笑顔は逆にこの現状を見てるとつらくなってくる。気のせいか後半になるにつれて顔は険しく、瞳の光は減っていった気がする…
あとお母さん役の女優さんはめちゃくちゃ美人さん。調べたら『ブレイド2』に出てました。
そしてチャバのガールフレンド役の子もとっても可愛らしくて扶養に入れたくなった。マンション買ってあげたい。

メキシコ内戦の現実。少年たちの徴兵。
テーマは重い作品だが、世界にはこんな育ち方をしなくてはならない子供もいると知るためには観ておくべき作品なのかもしれない。
これをオールタイムベストに入れるなんてセンスがいいなぁ(媚を売る)

メキシコン内戦がテーマの作品を観たい方、少年兵がテーマを観たい方、そしてメキシコ少女の可愛さにときめきたい方にはオススメの作品。