らじー(轟沈)

鑑定士と顔のない依頼人のらじー(轟沈)のネタバレレビュー・内容・結末

鑑定士と顔のない依頼人(2013年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

なかなか救いようのない話。
真贋とは一体なんなのか、という話。絵画だけでなく、現実という意味でも。
詐欺物映画としての出来を重視していないのか、トリックを支えた裏舞台については断片で匂わせる程度になっており、その点で消化不良。
主人公自身が未練タラタラで、裏舞台を見通したくなくなってしまった故と思えば諦めもつくが、奪われた物の価値が見えづらいせいで、トリックの無闇な大掛かりさが目立ってしまう。
ともすればプライドを踏まれ続けた爺さんによる爺さんへの復讐劇もいう矮小な見方も出来てしまうが、偽物の中の真実を見出そうと待ち続ける事にした主人公のその後に、幸を期待する。