カシオペイア

鑑定士と顔のない依頼人のカシオペイアのレビュー・感想・評価

鑑定士と顔のない依頼人(2013年製作の映画)
3.9
“贋作にも真実が潜む”
そう信じ、世を欺いてきた男が
最後に出会った「最上の出品」。

手袋を外し、そっと触れた時
初めて湧き起こる感情。

何でも偽装できるこの世の中で、
愛とは、幸せとは__

・・・
WOWOW録画をやっと鑑賞。
途中で筋が読めてしまってからも、
見応えのある映画でした。

主人公の鑑定士を演じる
ジェフリー・ラッシュはもちろん、
その相棒の画家・ビリー役、
ドナルド・サザーランドの演技が巧み!

登場人物皆が魅力的で、
話もよく練られていて
個人的には救いのある、
(少なくとも冒頭よりプラスの)結末。
決して後味悪くありません。

オートマタをはじめ、
小道具も意味深。
壁一面の肖像画、広場恐怖症などの
モチーフからも、
現代人の抱える
コミュニケーションの問題を
考えさせられます。

虚ろな主人公の姿は
自分への鏡のようでもあり。
どれほどリアルに生きているのか…
歯車の音が、耳の奥に残っています。
カシオペイア

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