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鑑定士と顔のない依頼人のcruela53のレビュー・感想・評価

鑑定士と顔のない依頼人(2013年製作の映画)
4.0
一瞬一瞬がとても美しく、ストーリー以外の部分も楽しめる映画。
床に投げ捨てられた後に飾られていた花、ぽろっと落ちて拾った後に指にはめられた指輪など、過程は描いていなくても、シーンの前後でさりげなく繋げられてる部分からは、監督のこだわりが感じられた。
あと、美術に詳しくなくてもストーリー理解には全く問題ないけど、知っていると2倍くらい楽しめると思う。
ヴァージルの部屋にある作品のほとんどは有名なものなので、わかる人は楽しめるはず。本来それらの絵は美術館に収蔵されているはずなのに個人蔵なことも伏線の一つとも思える。
思わせぶりなラストをどう捉えるかで評価が分かれるだろうけど、私はハッピーエンドだと思った。
たとえ、あれがああならなくても、ヴァージルは人間の感情や不完全さを手に入れることで、人間として前より成長したと思うから。
ヴァージルにとっては恋愛やお金より、人間らしさの方が得難いものだったのでは。
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