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鑑定士と顔のない依頼人のヨウのレビュー・感想・評価

鑑定士と顔のない依頼人(2013年製作の映画)
4.1
天才的オークショニアのもとに奇妙な鑑定依頼が届く。謎に満ちた依頼人に振り回されながらも不思議と惹かれていき、愛を育み合う。不可解な展開ながらも誰もが純情で温かい雰囲気に包まれるが、その先にはとんでもないどんでん返しが待ち受ける。純愛性とともに巧妙に伏線を絡み合わせた驚異的なミステリー。何を言ってもネタバレになるので深くは言及しないが、唯一無二の脚本づくりによって織り成されるストーリーに没頭させ、そして見事に騙してくる。ニューシネマパラダイスや海の上のピアニストでお馴染みのタッグが手がけるラブミステリーは非常に斬新で面白かった。終盤の不条理さには打ちひしがれ、主人公に感情移入が止まらない。ジェフェリーラッシュが可哀想で仕方がなかった。彼の繊細かつ悲哀に満ちた演技に頭が上がらない。観終わった後は不透明な点がたくさんあったが、解説を読んだらスッキリし、同時に伏線の張り方の秀逸さや全体像の精緻さに驚いた。全てを知った上でもう一度見直すとさらにその魅力が見出せるだろう。衝撃の走る映画体験を皆さんもぜひお試しあれ。
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