ベテハーバ

とらわれて夏のベテハーバのネタバレレビュー・内容・結末

とらわれて夏(2013年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

最初こそ母の挙動や逃亡犯とのやり取りのぎこちなさからそれがこの映画の作りの歪さなのかと不安になったけど、直接的な描写はほぼ無いのに触れ合いの何もかもを官能的に映す思春期少年の視点を経て、そのぎこちなさは、後に男と女お互いが抱える過去の傷が表層に浮かび上がらせたものだと分かる。その手で直接傷に触れてから。
決して戻らないものを抱え失った数十年と、たった5日間で知ってしまい、戻る事を願うしかできないものを抱えまた失った数十年、その先に待つ再会の場面は何とも言えなかった。
何より、アメリカの田舎、夏の日差し、汗、自転車、図書館… をくぐり抜けて過ごせる5日間が最高でした。お別れする家の床を皆でピカピカにするように、家事や修理をする事で何かを正していくような心が通底している所も良い。最後に映った母の家、ちょっと荒んでたかな。
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