映画万太郎

進撃の巨人 ATTACK ON TITANの映画万太郎のレビュー・感想・評価

進撃の巨人 ATTACK ON TITAN(2014年製作の映画)
2.4
ダラダラ批判するので良かったところを先に書きます。
取り敢えず映像はなかなかです。
そして容赦のないスプラッタ描写。これだけで満足出来る人はいると思う。子供が見たらトラウマ確実。これは作り手の狙い通りでしょう。
この前編のラストでは原作序盤にもあったアレで終わるんだけど、そこの撲殺っぷりは「アダムチャップリン」を思い出して興奮しました。
この辺りは一件の価値アリです。オススメ。

ただドラマパートが酷いです。
実写で表現すると恥ずかしい陳腐なセリフのオンパレード。
原作でもあった「世界は残酷だ」ってのもあんまり脈略のないところで言わせている(生きていたんだから儲けもんだろって思った)ので、単なる厨二病のような印象に。
長谷川博己も異常に芝居の掛かった思わせぶりな演技でかなりキツかった。
(多分MOZUっぽくやってくれって言われたんだけど映画でアレは辛い)
ただ、他で批判されていた戦場セクロスシーンはそんなに違和感はありませんでしたが。

あと登場人物がバカばっかり。
音を立てるなと言われればデカい車で移動しギャーギャー喋る。
二年も放置されていた土地で「子供の声がする」とか言って単独行動をし、味方を危機にさらす。
名前付きの主要人物だけはなんとかして助けようとする等々・・・

そもそも軍隊なのに(だよね?)、ほとんど訓練されていな役立たずばかり。
あまりの無能っぷりに「安保法案が成立されても徴兵なんてされないから安心して」と言う作り手のメッセージを強く受け取りました(すみません、今思いつきました)。
そんな中でもハルクばりの怪力を見せる強すぎるデブもいたり。アレ、なんだったんでしょうね。まさかこいつも巨人?奇行種?生身で強い奴を出したいんだったら武田梨奈をもっと活躍させてくれよ。
(追記:もしかしてこのデブがアレなのかも、と原作を読んで思いました。「前半で変だと思うことは後半への伏線」らしいので。だったら他の人間がもっと驚いたり、本人が「やっちゃった」的な仕草を見せたりした方が良いと思いますけど)

リヴァイは名前が日本人っぽくないから出さなかった、とのことですが
「人気キャラを実写化するとファンから猛烈な批判が来るだろうから出さなかった」って正直に言えば良いのに、と邪推してしまうくらい、日本人っぽくない名前の人物ばかり出てきていましたね。

脚本を書いた町山さんが好きなので、この映画の悪い所は全てもう一人の脚本家である渡辺雄介(ガッチャマン、ジョーカーゲームなど)のせいだと俺は思うことにする。やっぱこいつクソだわ。