キャリアウーマンのＪ・Ｃ・ワイアット（ダイアン・キートン）は突然、死んだ従姉妹の赤ちゃんエリザベスを相続することになる。しかたなく世話をするうちに情が移り、育児に理解のない会社に居場所がなくなってしまう。会社を辞めたＪ・Ｃは田舎暮らしを始めるが苦労だらけ。しかし、手作りのベビーフードの販売に成功して会社に戻る機会を得るのだが…
後に「ハート・オブ・ウーマン」「恋愛適齢期」「ホリデイ」「恋するベーカリー」を作るナンシー・マイヤーズの脚本はさすがの一言だ。
いきなりラストまで予測できる単純なストーリーだけど、温かくて楽しく、何度も観てしまう。
この、思いっきり８０年代！って感じが堪らない。
後半のサクセスストーリーなんて安直で非現実的だけど、そこは気にせず、明るく悩んで楽しんで、優しい気持ちになれる映画だ。
それにエリザベスが可愛すぎる！！
女性の社会進出が大事な背景になっているが、この映画から４０年経っても解消されていないというのは皮肉だ。
映画の冒頭で「女性はいろいろと犠牲を強いられる」なんて発言があったりして、周りの人も環境も整っていない時代がよくわかるが、少なくとも日本ではまだまだこの映画と同じような状況が残っているように見える。
主演はダイアン・キートン。演技が上手いのはわかっていたけど、この映画のコメディアンヌっぷりは最高だ。
「ゴッドファーザー」は吹っ飛ぶし、「アニー・ホール」や「マンハッタン」とも違った、ポップでライトな笑いを爆発させる。
雨漏りしたり井戸が枯れたり、獣医と知らずにセックスの悩みを打ち明けたり、何でも屋のブーンとのやり取りなんて最高だ。
部下役で当時、若手色男の代表ジェームズ・スペイダーが出てるほか、大好きなサム・シェパードも出ていて、何度観ても飽きない良作だ。
