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エレニの帰郷のchiyoのレビュー・感想・評価

エレニの帰郷(2008年製作の映画)
3.0
2014/2/7
過去と現在と様々な国を行き来するので分かり辛い部分はあるものの、圧倒的な映像美でそれもなかったことになってしまう、そんな魔力を持った映画。中でも、何もかもを掻き消してしまうような濃い霧、観ているこちらまで寒くなりそうな夥しい雪、黒いコートを着た人々の姿が印象的。どちらかと言うとバッド・エンディングに近い終わり方なので、この救いはもう観ることが出来ない3作目にあったんじゃ?と思ってしまう。このままじゃ、ひとり残されたAがあまりに不憫すぎる。そんな中、映画館と孫エレニの部屋のポスター、ベルリンのバーの名前に遊び心があったりも。ちなみに、エレニやスピロスといった「エレニの旅」と同じ名前の人物が登場するけれど、ストーリーの繋がりは全くなし。が、様々な困難に見舞われながらも、ひとりの人を想い続けるエレニの姿は、この2作の共通点と言えるのかも。
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