エレニの帰郷の作品情報・感想・評価

「エレニの帰郷」に投稿された感想・評価

sokwtkhr

sokwtkhrの感想・評価

3.8
最初から引き込まれた。
カメラがゆっくり移動し、ゆっくりズームしていくショットがすごくいい。

ただ、時系列が前後したり、いまいち内容に入り込めなかった。

もう一度、見直したいと思う。
まる

まるの感想・評価

3.7
テオなんだけど、テオらしくない気は
少ししてしまった。
恐らくもっとやりたい事、
あったんだと思う。
我慢している気がした。

でもやっぱり好きです。
てぃだ

てぃだの感想・評価

3.2
アンゲロプロス追悼。「旅芸人の記録」がサッパリぱりぱりだったので、今回さほど期待してなかったんだけども割と見やすくて一安心。ベルリンの壁あたりの時代背景のおかげなのか主役がハリウッドでもお馴染みゴブリンフェイスマンのウィレム・デフォーだからか。駅で踊る場面とてもいい。あとギリシャの入管まじであんな身体検査するのか。だったら相当嫌だなギリシャ行きたくねぇ
前作エレニの旅が入手できず、こちらを先に観た。テオ・アンゲロプロスは、三本目の試聴だが、これが遺作とのこと。「ユリシーズの瞳」と同じく、監督自身の分身と思しき映画監督が登場するが、本作ではウィレム・デフォーが演じる。
回想シーンが現在の姿のまま演じられるような、シームレスに遡行し、跳躍する時間の流れの演出は、テオ・アンゲロプロス監督お得意のもののようであるが、中身は完全に理解できるし、深みがある。時間の流れはかように自在なのに、ところが空間については、国境が人間を、恋人を、隔てる。しかし「ユリシーズの瞳」同様、そこに希望はあった。
本作のテーマは帰郷。作品はソ連統治状況のロシアや、ウィーン、アメリカを舞台に展開する。ギリシャから旅立ち、今や共産党の虜囚になっている恋人を救うためにソ連に潜入するが果たせず生き別れになる。長い時間を経ての再会。ギリシャは最後まで作品の舞台として登場することはないものの、だからこそ、いっそう、果たせなかった帰郷に、テオ・アンゲロプロス監督の祖国ギリシャへの愛と望郷の想いを存分に感じる事が出来る。
ブルーノ・ガンツの演技が特に印象深い。「ヒトラー最期の12日間」でヒトラーを演じたり、「ブラジルから来た少年」でチョイ役ながらナチの陰謀を暴いた彼が、今作では共産主義下で辛酸を舐めた老ユダヤ人を演じる。彼はエレニを愛し長年そばに居ながら、決して彼女の最終的な愛を得られない立場にあった。その孤独さと寂しさがよく伝わってくる「陽気な」演技だった。
テオ・アンゲロプロス監督の『20世紀三部作』2作目であり、遺作となった作品。
『20世紀三部作』の1作目『エレニの旅』との物語面での繋がりはない。

この映画は、冒頭はイタリアのチネチッタから始まって映画監督の話から始まる。チネチッタ風景が映されるが、音楽録音場面や展示館入口(フェリーニのアマルコルド風のデコレーションあり)などが見られる。
その男の母親エレニの物語に遡ったり、その男の娘エレニの話となったりするので、時代が現代と過去を行ったり来たりすること、そして母親と娘の名前が同じエレニであったりすることから、最初は若干わかりづらい感じがした。
でも、それが分かってしまうと、半世紀にわたる壮大な物語がこの映画にある。

エンドロールによると、イタリア、ギリシャ、ロシア、ドイツでロケされたようであり、様々な場所と時間軸で物語が展開するので、鑑賞時は要注意。

物語の内容は長くなるので記載しないが、素晴らしい人間ドラマが描かれていた。
『エレニの旅』ほどではないが、やはり、長回しが多用されていて、それが効果的であった。ロシアの広場での群衆シーンなどは印象的。
また、「3つめの翼を追い求める天使の姿」も心に残る。

テオ・アンゲロプロス監督の佳作であった。
himaco

himacoの感想・評価

4.0
時系列の複雑さに混乱し、2日がかりで鑑賞。何度も巻き戻しては観進めた。
後半への気持ちの整理がまだつかないのでいつか、もう一度観たいと思う。

“物語だけが僕の居所、それ以外の所では僕は存在しない”
ウィレム・デフォー演じる映画監督の生きる現在。
家庭を顧みなかったせいで離婚した妻、家出して行方不明の娘エレニ。

そしてそこに母エレニ、父スピロス、そして2人の友人であるヤコブの生きた過去が映り込む。
時代に翻弄される彼らは何度も引き裂かれ、そして再会へと導かれる。

更に現在と過去が入り乱れ、複雑さと切なさが増す後半。
時は流れても変わらない想い。

ヤコブを演じたブルーノ・ガンツが素晴らしい。
あちゃ

あちゃの感想・評価

4.6
凄いなぁ、衰えてない。画面が震えたショットを撮りまくれる監督ってのはなかなかいないと思う。説明不能の面白さがカメラにつきまとってる。
hk

hkの感想・評価

4.0
人がただ移動するだけの描写大好き。

昔、名前の持つパワーをドストエフスキーの作品から感じたことがあるが、同じ名前を持つ祖母と孫娘の関係を意味深に浮き上がらせたこの作品からも、同じパワーを感じることができた。
本日1月24日は2012年に急逝したギリシャ映画界の巨匠テオ・アンゲロプロス監督の命日。
早いもので七回忌を迎えます。

エレニ3部作を構想していたアンゲロプロスは奇しくも不慮の事故により、第二部に当たる『エレニの帰郷』が彼の遺作となりました。

前作『エレニの旅』とは直接の繋がりはないものの、
本作では同じくエレニという名の女性が時代に翻弄された一代回顧録をイレーヌ・ジャコブが担い、一方の現代では彼女の孫娘エレニの家出に戸惑う映画監督の父親をウィレム・デフォーが演じます。

悲惨な戦争は終わろうとも、長らく続いた冷戦やイデオロギー、国家の隔たりによって散り散りになってしまった人々。
男に愛され続け、別の男を愛し続けたエレニはある意味で故郷を失った時代の放浪者となり、
1953年のスターリンの死から1999年の大晦日まで、戦後20世紀の険阻艱難を渡り歩くことになります。

人の心さえも別ってしまう国の分断線・国境によって愛し合う者たちは引き裂かれ、
ただ大陸を繋ぐ列車だけが人々を引き合わせ、そしてまた引き離してゆくのです。

一方の現代には平和な日常が溢れつつも、両親の離婚にショックを受け一人で苦悩している孫娘エレニ。
彼女もまた愛の喪失によって心の拠り所である家族、つまり"故郷"を喪失していたのでありました。

旧世紀を生きたエレニと、これから来たる新世紀を生きてゆくエレニ。
この世代の異なる二人のエレニは、果たして失われた真の"故郷"に辿り着けることができるのか。

それは激動の時代を生きたアンゲロプロスが去りゆく20世紀へ向けた惜別の念であり、
時と共に埃の中に埋もれてゆく歴史を再び掘り起こそうとした総決算でもあります。

第三部は残念ながら幻となってしまいましたが、構想上では父と娘のストーリーになっていたそう。

しかし家族の意向もあり、その父娘に纏わるシナリオはテオの実娘の手によって形にする時が来るかもという旨を述べていたので、
機が熟すその日をいつまでも待ち続けたいと思います!
エレニの辛い過去と現在をデフォー演じる映画監督を通して描いてた印象。以前愛し合った男女が再び時を経てまた接点。エモーショナルに訴えかけ、デフォーの存在感も相変わらず良いが、盛り上がるところで盛り上がりに欠けたのが残念。
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