第三幕から鑑賞。予想がつかない内容とスピーディな展開がドラマとしての面白さに。原作未読。

2013年に制作されたネオン蝶は全4幕（4回）からなる作品で、本作は第三幕。ネオン蝶を飽きさせないのは、幕がかわる度に、小松の相手役に魅力のある男性が登場することも大きい。本作では、小松の新しい客となる小沢和義が硬派な風貌ながらも優しさを兼ね備える役柄を好演している。第三幕からはストーリーは、急展開を見せ、小松の勤める店にライバル店ができ、そのオーナーらとの人間関係、さらには、オーナーのスポンサーに犯罪組織が関わることが示唆されていく。第一幕と二幕は出演俳優の魅力でみせていたネオン蝶であるが、三幕からはストーリー展開も予想がつかない内容とスピードでドラマとしての面白さがでている。
主演の小松は、第三幕からは店のナンバーワンホステスとなっている設定だが、ホステスとしての昇進はスムースで、演技も夜の世界で駆け出しだった第一・二幕から、本作ではベテランのホステスへと変わっており違和感がない。ただ、ここまでは、人生に翻弄され、つらい境遇にも負けずに耐えて頑張るヒロイン像のみが描かれ、人物あるいはプロのホステスとしての秀逸さが、あまり描かれていないのが物足りない。小松のファンには、ホステスとしての劇中での昇進は納得ではあるが、映画上は、抜群の美貌という設定でもなく、成功の理由としては、昔銀座で働いていた叔母の人脈以外には描かれておらず、弱い。小松が自らの実力をつけるために政情・経済などの勉強をしたり、客にプレゼントをしたりといった気遣いは第四幕には登場するが、少し遅きに失した感はある。

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★★